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「ツーアウト」という芝居をやります

私の父は、大学生の頃から秋葉原に通っていたという、筋金入りの旧アキバ族で、今でも一人にしておくと、秋葉原に買い物に行ってしまい、真空管だとか、ものすごく小さいCCDカメラだか何だかを買ってきて、自分で真空管アンプとか手作りしたりして喜んでいる、電気機器オタクです。
そんな父に、この前「CDとかをカセットテープじゃないものに録音して聴けるものが欲しいんだが」と相談された。私はiPodとかそーゆーのが欲しいのかと思ったのだが、
「違う。パソコンとかに入れるんじゃない奴だ。CDに焼くんじゃなく、今までカセットテープに入れてたものも録音することができて、音が劣化しないメディアはないのか」とか言う。
まさかと思って「MDって持ってなかったっけ?」と訊くと、「持ってない」とのことで、ほんとにまさかなことにCDMDデッキを買った。そして「MDは便利だぞ。いらないものは消去できるし、曲の順番を編集できるし、曲名もアルファベットかカタカナなら入れられるし、A面が終わっても入れ替えなくて済むし、リピートでずっと同じ曲を聴くこともできるのだ」とか、画期的な新しいメディアが発明されたかのように、自慢げに、21世紀になって久しいというのに、MDのすばらしさについて語っていた。MDを今まで知らなかったとは知らなかった・・・
で、何をエンドレス・リピートして聴いてるかというと、「千の風になって」だそうだ。 王道だ。CDを買ったが、傷とかつくと嫌なので、カセット・テープに録音して聴いてたが、リピートして聴くには、いちいち巻き戻さないと聴けないし、エンドレスで再生してると、テープが伸びたりして、音がぼよんぼよんになってしまうので、そうならないものを探していたそうだ。中高年がこぞって買うので、CD売り上げがなんか凄いことになったそうだが、本当に買ってる人たちいるんだ・・・しかも、それは、うちの親だった。
私は、この曲を全部聴いたことない。「わたしのぉ〜」から「泣かないでください〜」という最初のとこしか知らない。父にそう言ったら、今度MDに録音して、私にくれるそうだ。あんまりいらないけど。

関係ないが、うちで作業をしていると、勧誘の電話が掛かってくる。
「ふとんを500円で丸洗いします」とか、「近くに新しくできたマンションを買いませんか」とかいろんなのが来るが、一番多いのはどーゆーわけか「お墓を買いませんか」だ。「新しい公園のような霊園ができました。とても景色の良い明るいところで、アクセスも便利で・・・」とか売り込んでくる。
いらない。全然いらない。お墓はいらない。
でも「墓を買え」がダントツ多い。どーゆー流出個人情報から掛けてくるのだ。「電話帳で順番に掛けてます」と言うが、うちは電話帳には載せてないぞ。もうすぐ死ぬと思われているのか。あんまり死にたくないです。
一日に三回も墓を買え電話が掛かってきた時は、ついつい「♪私に〜お墓の土地を〜売らないでください〜。そこに〜私は〜入りません。死んでなんかいません〜」と、からきしセンスのない親父ギャグ以下の替え歌が、頭に浮かんでしまい、エンドレスで歌ってしまっていた。そこまでしか知らないから、そこまでしか歌えない。
だから、なんだというのだ。すみません。全然関係なかったです。

で、秋葉原通いが趣味の父だが、青春時代は体育会系だったらしい。
野球をやっていた。軟式野球だ。
本当は硬式野球をやりたかったのだが、「身長がちょっとだけ、硬式には足りなかったんだよ」と悔しそうに言っていた。硬式野球に身長制限があるとは知らなかった。社会人になっても、草野球チームに入っていた。
が、メキシコ五輪で日本がサッカーで胴メダルを取ったのを機に、草サッカーに転向した。
「草野球をやるにも、ちょっとだけ身長が足りなかったんだよ」と父は言っていた。草野球にも、身長制限があったのか。
中学の時からメキシコ五輪の時代まで、ずっと草野球一筋できたが、どこでやっても自分よりウマい人たちばっかりで、ようやく「俺って、草野球じゃ、使いものにならないのかも・・・」と悟ったのが本当のとこらしい。
草サッカーは、メキシコ五輪の頃くらいから始めても、まだうまい人がどこにでもいる状態じゃなかったので、頑張れば身長や技術が足りなくても、何とか居場所があったようだ。そこからは、ずっと草サッカー一筋だ。
だが、父は、今でも野球のグローブを持っている。最後にやってた草野球チームの時の背番号「27」という数字と「飯島」の名前が、黒のマジックペンで小さく書かれた古いグローブを、まだ持っている。
なぜ、そんなに野球が好きか。私には、さっぱり判らない。

私の父の草野球話とは全然関係ないですが、自転車キンクリートSTOREでは「ツーアウト」という芝居をやります。
すごく困ったことに、これが、演出やる人がいないんです。
うちの演出家の鈴木裕美は、三年くらい前から他の仕事が入っていて、ちょうど同じ時期に別の芝居の演出をしているので、物理的にどーにもこーにも何ともならないし、そんなこんなで演出やる人がいない状態です。
「なし」っていうのも、まずいんじゃないかってことで、飯島の名前のとこに、演出っていうのもついてしまってるんですが、ぶっちゃけ演出って何するんだか、全然判ってないです。
一応、演出ってついちゃったから、勉強せんといかんかなと思って、「演出家の仕事」とかいう本を読もうかと思ったんですが、なんか「今から読んでも間に合いません」て気持ちになるばかりじゃないかと思ってやめました。
てことで、演出って書いてありますが、何もしません。
勿論、演出プランとかないんです・・・
演出プランて、何をどうプランすればいいのかが判ってないから、プランの立てようがないです。
スタッフと出演者の皆様に、芝居丸ごと全部作ってもらいます。私がなまじっか、演出するふりをするより、いい芝居になると思います。舞台監督の安田みっちゃんと、演出助手の山田みきちゃんが「初日はあけます」と言ってくれたので、初日はあくと思います。
初日はあくらしいですが、やっぱちょっとスリリングではあります。
・・・どーなるんだ・・・
私は、稽古場にいて、ただ見てるだけなので、他の芝居の稽古場と同じなんですけどね。

ということで、自転車キンクリートSTORE「ツーアウト」、詳細は公演情報をご覧ください。
面白い芝居だと思います。私の頭の中じゃ、けっこう面白い芝居になってます。今のところは、私だけが面白いのかもしれません。
あとは、出演者とスタッフの皆さんが、実際に面白くしてくれるので、私は現場では高みの見物です。

舞台は、草野球のグラウンドの三塁側ベンチです。
試合が始まってから終わるまでの話です。
野球は選手が9人必要ですが、いろんな事情があって9人も出せないので(主に演出する人がいないという事情)、ずっと裏です。選手は守備をしてる状態なので、舞台には出てこないです。出てこないで、勝手に野球をやってます。
で、その試合の間に、ベンチで起こるお話です。

お時間があって、気が向いたら、是非観にきてやってください。
なるべくであれば、お時間がない方も気が向かない方も、新宿近辺にお越しの際は、劇場にいらしてください。どうかよろしくお願い申し上げます。
面白いものがご覧頂けると思います。
面白い上に、スリリングです。かなり・・・


★ 自転車キンクリートSTORE「ツーアウト」公演詳細は、こちらをご覧ください。

★あと、ついでに、飯島のどーでもいいのにどーにも長いブログ「顔を洗って出直します」もお暇があったら、覗いてやってください。

(2007年8月10日)

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